アニメや漫画、ゲームなどに所縁のある方々のプライベートな一面を覗いちゃおうというこの企画!! 連載第5回目のゲストは声優の小野坂昌也さん。
数多くの作品に出演するほか、ナレーター、ラジオパーソナリティー、現在ではユーチューバー (小野坂昌也☆ニューヤングTV)
としても活躍中。そんな小野坂さんを夢中にさせている筆記用具に今回はフォーカス!! 自身のコレクションを中心に大人の趣味の魅力に迫ります。
仕事の用途に応じてペンを入れ替えながら使っています
――今日は長年集め続けているという筆記用具をお持ち頂きました。デザインもいろいろあってとてもキレイですね。これは万年筆とボールペンですか?
万年筆、ボールペン、シャープペン、スケッチペンといろいろですね。そこまで夢中で集めているというわけではありませんけど(笑)。僕、趣味が人より多いんですよ。バイク、車、時計、シルバーのアクセサリー類……etc。もうめちゃくちゃ多いので、その中のひとつとして筆記用具を今回は選びました。普段持ち歩いてる物はこっちの3本入りのペンケースに入ってますね。
――このペンケースには厳選された3本が?
「今日は赤ペンが必要だな」とか、その日の仕事の用途に応じてペンを入れ替えながら使っていますね。本当はもっといっぱい持ち歩きたいんですけど、かさばっちゃうので。以前は6本入りのペンケースを使っていたんですけど、こんなデカイんですよ(手のひらサイズ)。カバンの中にデカイ財布とデカイペンケースを入れるとそれだけでいっぱいになっちゃうので3本に絞ることにしたんです。
――ちなみに今日の3本は何ですか?
ボールペンとシャープペンシルと蛍光ペンの3本です。台本にある自分のセリフ部分にマーカーをするので蛍光ペンは必需品ですね。
――この蛍光ペン、モンブランですか?
そうなんです。モンブランは時々遊び心で変わったものを出すんです。ちなみに、この蛍光ペン専用のカートリッジが2,000円くらいするんですけど、すぐに使いきっちゃうんですよ。ゲームの台本とかだと200~300枚くらいあるので、セリフにマーカーを引いていったら一回で使い切ります。なのでそういう時はプラスチックのマーカーを使ったりしています。これはもうダメだと思ったときは(笑)。
大人の男の嗜みとして、高級万年筆にハマる
――こういった高級筆記用具にこだわり始めたキッカケは?
一番最初に買ったのは25、6歳のときですね。そろそろ筆記用具もちゃんとした物を持たなきゃなぁと思ってモンテグラッパのボールペンを買ったんです。10万円くらいの物が7万円ぐらいで売っていたので。これがめちゃくちゃ書き心地がよくてこんな素敵なボールペンがあるんだと思って見ていたら、同じメーカーでドラゴンの万年筆も見つけて。こういう万年筆の会社って、何年かに一度記念モデルみたいなものを発売することが多く、シルバーでドラゴンの細工がしてある辰年記念モデルの万年筆がその当時出ていたんです。これは製造された本数も少ないから、とても高いんです。ただ自分が辰年なんで、さらにシルバーアクセ好きもあり、これは買うタイミングなのかなと思ったのがキッカケです。
――それがこのドラゴンの万年筆なんですね。かなりずっしりと重いですね
全部シルバーなので。これを買って、そろそろ大人だし万年筆を使わなきゃなという気持ちになってきたところで、万年筆といえばモンブランだよなと。それでモンブランのマイスターシリーズを買って使っていました。が、しかし、アニメの台本ってわら半紙みたいな薄い紙なんですね。万年筆で書くと、そのインクで濡れるので全部切れて穴が開いちゃうんですよ(笑)。それでも僕は何年も万年筆で台本チェックしていたんです。後輩たちに「チェックしづらくないですか?」と聞かれても、「そんなことはない。チェックは万年筆でやるものだ!!」と言ってずっと使っていたのですが、結局チェックしづらかったんです(笑)。
――正直チェックしづらかったんですね
まあ、でもそこからハマり出して文房具屋さんへ行くごとに、変わったのが出ていたら買うようになりました。海外へ行ったときにも限定モデルを買ったりしています。これなんか鹿の角でできた万年筆なんですが、めちゃくちゃ書きやすいですよ。日本にないなら海外まで取り寄せてもらったりもしています。
ひたすら万年筆を使い続け、そしてボールペンの時代へ
————それにしても色々な種類の万年筆があるんですね
これはペン先をすごく太くしたモンブランの万年筆なんですけど、最初はFっていうすごく細いペン先だったんです。ただ、これで台本をチェックすると細すぎて切れちゃうんですよ。それでペン先だけモンブランに別注文して変えたんです。
――あ、ほんとだ。すごく太いですね。
飾り文字を書く用の太いペン先なんですよ。これで台本のチェックをすると切れなくて、すごく良いんですけど、逆に太すぎて文字は書けないんですよ。でも漢字にルビを振れない(笑)。
――何かと歯がゆい感じですね……。
万年筆って何かと不便なんですよ(笑)。それで「僕の仕事では万年筆は使えないんだ」ということがわかってそこから先、ボールペンの時代に突入。そこでこの中屋万年筆の透かし彫りのドラゴンのボールペンと出会いました。
――これ美しいですね。そしてデザインが渋い。
透かし彫りの漆塗りなんです。中屋万年筆っていう、職人さんが一本一本手作りするオーダーメイドの万年筆で有名なところのものなんです。どんな万年筆でも作ってくれるんです。そんな中屋万年筆で作ったにも関わらず、先をボールペンで注文するっていうその贅沢さ(笑)。
――このやたら書きやすい青いボールペンは何ですか?
それはヴィスコンティのゴッホシリーズの「自画像」かな。こっちに同じシリーズの「ひまわり」もあります。このシリーズはすごく人気があって、リーズナブルだし初めて買う方にもオススメですよ。
――ものすごくなめらかな書き心地ですね。
それは中の替え芯が書きやすいんですよ(笑)。替え芯が豊富なのもボールペンのいいところなんです。インクの種類も油性、水性、ジェルとありますし、色も黒や赤だけじゃなく、茶色とかコバルトブルーとかいろいろある。替え芯の長さって数種類くらいで、モンブラン系、モンテグラッパ系、ヴィスコンティ系とか大体このくらいです。本体を買って替え芯をいろいろ組み合わせて使い勝手をよくできますし、バラして替え芯の規格が合うボールペンと組み合わせるのも楽しいんです。
――プラモデルをバラしたり組み立てたりする感じですね。
まさにそんな感じ!! 未だに子どもみたいなもんですよね。
機能のカラクリを知るのも楽しみのひとつ
———万年筆から、ボールペンへと移り変わり……
ボールペンの後にハマったのが、シャーペンとスケッチペン。手のひらに収まるような小さいのがスケッチペンですね。
――スケッチペン? あ、小さいけど重いですね。
それはアウロラの大陸シリーズっていう、オセアニアの大地をイメージしたモデルなんです。
――重いと疲れるかと思いきや逆ですね。軸が安定する。
そうなんですよ。すごく書きやすいんですよ!
――(あれこれ試し書きしながら)ヴィスコンティのゴッホシリーズ、キャップがカチッてなりますね。いいですね。
それはカチッと閉まるのが気持ちいいということでも知られているんですよ。なぜカチッとするかというと、マグネットが入っているからなんです。それで途中まで閉めるとカチッと吸い込まれるように閉まるんです。閉めるのをただ気持ちよくするためだけに考えられたものなんですよ。
――よく考え抜かれている機能ですね。
これ、すごいでしょ。僕も最初は気づかなかったんですよ。なんでこのキャップを閉めると気持ちいいのかなと思って、ネットなんかで色々と調べてみたら、マグネットだということがわかったんです。そういうカラクリがわかるとまた楽しいですよね。
――最初に趣味がたくさんあるとおっしゃっていましたが、傾向ってありますか?
機械的なものが好きなんだと思います。うちの父親が車の修理工だったので、昔からエンジンに関する雑誌を毎月買っていて、それを僕も子どもの頃に読んでいたんです。バイクも外見でハマるというよりエンジンが好きでハマって。それでバイクから車にいって。僕はスーパーカーブームの時代に育っているのでそういう車が好きなんですが、「1964年製のロータスヨーロッパを現在の部品で作り直したらどうなるか?」ということをイギリスの会社がやっていて、そこで僕も注文して作ったりしました。こうしてみると、やっぱり中に機械が入っているものが好きなのかなと。時計もクォーツとか電池式の時計じゃなくて機械式の時計にしか興味がないので。そういう意味でもカスタマイズできる筆記用具にも、ちょっと機械的な魅力を感じますよね。
――お金のかかる趣味がいっぱいあるのでいっぱい働かなきゃいけないですね。
もう僕は貯金するとか考えたこともないので(笑)。自分がお仕事をしてもらったお金は仕事に生かすために使うものとしているので。たとえばこれ(筆記用具)を買ってどういう意味があったかというと、直接仕事場で使うのはもちろん、この趣味があることによってそれに絡んだ仕事がくるわけです。そこで人に説明する機会も増えるので、しゃべりが上手くなる。そうして趣味が仕事につながることが多いんです。時計が趣味になるといろんな人から時計のことを聞かれるわけですよね。何買えばいいかとか。そういったことを通じてコネクションも広がっていくので割と趣味が役には立っていますよね。無駄なことないですから、お金使って。
道具は使い込むことでその価値がわかる
――次に狙っている物とかはあるんですか?
ハマッているときは買っちゃいそうになるんですよ。だからなるべく忘れるようにしてるんです(笑)。忘れておいて、見たときに「はっ!」となって突然買う、衝動買いしたほうが納得いくんですね自分に。
――金額がお高いものですが、衝動買いしたあとに後悔することは?
それを埋めるためにこうやってじっくり眺めるんですよ(笑)。写真だとめちゃくちゃキレイに写っているので、実際に手元に届いてみると「ふーん」っていうことももちろんあります。ただ、損したって思うのは道具に対して申し訳ないから、“すごくいいものだ”と思って見続けるわけです。
――アイテムに愛を注いでいるんですね(笑)
そうです!! すべての道具に愛を注いで使い込んでいく。車も「やっぱり新しいやつ欲しいな」と思ったときに、今の乗っている車のいいところはどこなのかを考えながら乗ります。そして降りたときに後ろから見て、「この車キレイだな」って言ってあげる、これが重要です。
趣味で高価な物は持っていますけど、僕のはコレクションとしての価値はないんですよ。使っているので。見ての通りこの筆記用具もかなり使い込んでいる。使うことで味も出てきますし、中屋万年筆の龍のボールペンがあったじゃないですか。これなんか透かし彫りなので使い込むうちに龍の模様がもっとハッキリと出てくるんですよ。
――指があたる部分の模様が白く浮き上がってきていますね。
もっとずっと使っているとさらに龍が浮き出てくるんですよ。年々変わっていくという楽しみもこのボールペンの特徴なんです。やっぱり道具って大事に使い込んでこそって思うんですよね。使わないとその良さも人に説明できないですし、ここがこうなるからいい、逆にこれはここがイマイチだから買わないほうがいいなど、全部使ってみないとわからないことなので。
――機能や使い心地を理解することも含めての趣味?
キャップのカチッと閉まる感じが気持ちいいとか、見ているだけじゃ気づかないですから。何度か使ってみて「あれ?」と気づいてそれを調べてみてわかる。男の子が楽しいのってそこなんですよね。詳しくなるっていうのが楽しいんだと思います。
――高級筆記用具が欲しくなってきましたけど、失くしたり壊れたりしたときのダメージが大きそうで。
大事な物を買うと失くさないですから大丈夫ですよ。あと物は大切に使ってください(笑)。
20代の頃に買ったものを53歳になった今も使っていて、その物について語れるってすごくないですか? それってこんなにピカピカで大事にしてないと言えないんですよ。使っていて壊れてしまうのは仕方ないとしても、落としたり乱暴に扱ったりして傷ついてしまうのは悲しいので。筆記用具だったらちゃんとペンケースに入れて持ち歩くとか。物は大事にしていつまでも持っていて、時々眺めて昔のことを思い出すっていうのが中々楽しいんですよ。買った当時のこととか、その時の仕事のこととか、当時つき合っていた彼女のこととか、いろんな物を見ると思い出せるので(笑)。
小野坂昌也さんから
夢中になっているみなさんへ応援メッセージ
欲しい物のことを考えるだけで毎日に張りが出ますし、手に入れたら入れたでそれを眺めたり、使ったり、調べたり、その物を楽しむ時間が持てる。何かにどんどん詳しくなっていくその過程もとても楽しいし、人に語れるほど詳しいことがあるって素晴らしいことじゃないですか。趣味を通して人とのつながりも広がっていく。どこをとっても無駄なことってないです!
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